まだ起きていないことを考えて不安になってしまうとき
まだ何も起きていないのに、悪いことばかり考えてしまうことがあります。
「もし仕事で失敗したらどうしよう」
「この先、生活がうまくいかなかったら?」
「病気になったら?」
「大切な人に何かあったら?」
一つ考え始めると、次から次へと心配が浮かんできます。
頭では「まだ起きていない」と分かっているのに、心の中では、まるでその出来事がもう起きているように苦しくなってしまう。
そんな経験をしたことがある人は少なくないと思います。
先のことを考えること自体は悪いことではありません。
予定を立てたり、問題に備えたりすることは、私たちが生活していくうえで必要です。
でも、「備えること」と「心配し続けること」は少し違います。
備えることには、できることがあります。
一方で心配は、まだ答えの出ない問題を何度も頭の中で繰り返してしまうことがあります。
そして気がつくと、今日何も起きていないのに、明日や来週や何年も先の苦しみまで先取りしてしまいます。
心は、まだ起きていないことにも反応します
たとえば、来週大切な予定があるとします。
「失敗するかもしれない」
と考えた瞬間、その出来事はまだ起きていないのに、胸が重くなったり、眠れなくなったりすることがあります。
さらに、
「失敗したら評価が下がるかもしれない」
「そうしたら仕事を失うかもしれない」
「生活できなくなるかもしれない」
と考えが続いていく。
最初は一つの予定だったものが、頭の中では人生全体の問題にまで広がってしまうことがあります。
でも、その多くはまだ現実にはなっていません。
私たちは時々、現実の問題ではなく、想像の中で作られた何十個もの問題を同時に抱えてしまうのかもしれません。
「今日の分」だけを考えてみる
そんなときは、少しだけ時間の範囲を狭くしてみるといいかもしれません。
「この先どうなるんだろう」
ではなく、
「今日、私にできることは何だろう」
と考えてみます。
来週の仕事が心配なら、今日できる準備を一つする。
お金のことが心配なら、今日確認できる数字だけ確認する。
誰かとの関係が心配なら、まだ起きていない会話を何度も想像する代わりに、今日できる誠実な行動を一つ考える。
それ以上のことは、今日考えても答えが出ないことがあります。
明日になれば、明日の自分には今日より多くの情報があるかもしれません。
そのときに考えればいいことまで、今すべて決める必要はありません。
心配している自分を責めなくてもいい
「また考えすぎている」
「自分はどうしてこんなに弱いんだろう」
と、自分を責めてしまう人もいます。
でも、心配が浮かんでくることそのものまで責める必要はないのかもしれません。
大切なものがあるから心配することもあります。
失いたくないものがあるから、不安になることもあります。
問題は、心配が浮かぶことよりも、その心配に一日中付き合い続けて、自分を疲れさせてしまうことなのかもしれません。
心配が浮かんできたら、
「これは今、考えなければならないことだろうか」
と一度問いかけてみてください。
答えが「今ではない」なら、
「これは今日の問題ではない」
と心の中で区切ってみてもいいでしょう。
すぐに不安が消えなくても構いません。
何度戻ってきても、そのたびに今日に戻ればいいのです。
今日できる小さなこと
今、あなたが心配していることを一つだけ思い浮かべてみてください。
そして紙やスマートフォンに、次の二つを書いてみます。
今できること
今はできないこと
たとえば、
「来月の仕事がどうなるか」は今は分からない。
でも、
「今日、一つ準備をする」ことはできる。
未来すべてをコントロールすることはできなくても、今日の小さな行動なら選べることがあります。
できないことまで抱えるのではなく、できることだけを自分の手元に残してみましょう。
最後に
私たちは、今日一日を生きるだけでも十分にたくさんのことを抱えています。
そこに、まだ来ていない明日の苦しみまで加えなくてもいいのかもしれません。
未来のことが心配になったら、
「それは今日考えなければならないことだろうか」
と自分に問いかけてみてください。
今日できることが一つ見つかったなら、それで十分です。
明日のことは、明日の自分に任せてもいいのです。

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