怒りをぶつけたあとに、自己嫌悪になるとき
言いすぎてしまった。
あんな言い方をするつもりじゃなかった。
もう少し冷静に話せばよかった。
怒りがおさまったあとで、
自分の言葉や態度を思い出して、苦しくなることがあります。
その場では、
「どうして分かってくれないの?」
「もう我慢できない」
そんな気持ちでいっぱいだったのに、
少し時間がたつと、
「私って嫌な人間だな」
と、自分を責め始めてしまう。
怒ったことよりも、
そのあとの自己嫌悪のほうがつらいことさえあります。
でも、
一度怒りをぶつけてしまったからといって、
あなたという人全体が悪い人になったわけではありません。
反省することと、
自分を傷つけ続けることは別です。
怒りが爆発する前には、小さな我慢が積み重なっていることがあります
突然怒ってしまったように感じても、
よく振り返ってみると、その前にいくつもの小さな我慢があったことがあります。
本当は嫌だった。
本当は疲れていた。
何度も同じことを言われていた。
ずっと気を使っていた。
断りたかったのに断れなかった。
分かってほしいのに、何も言えなかった。
そうしたものが少しずつ積み重なって、
あるとき、ほんの小さなことをきっかけにあふれてしまう。
最後の出来事だけを見ると、
「こんなことで怒るなんて」
と思うかもしれません。
でも、
本当は「こんなこと」だけが原因ではなかったのかもしれません。
怒りの前に、どんな気持ちがたまっていたのか。
そこに目を向けることも大切です。
「怒った自分」と「悪い人間」は同じではありません
怒ったあと、
「私は性格が悪い」
「こんな自分が嫌い」
と思ってしまうことがあります。
でも、
行動と、自分自身を分けて考えてみてもいいかもしれません。
「あの言い方はよくなかった」
ということと、
「私はよくない人間だ」
ということは同じではありません。
強い言葉を使ってしまった。
相手を傷つけてしまった。
それは必要なら反省できます。
謝ることもできます。
次は違う言い方を考えることもできます。
でも、
自分の人格すべてを否定する必要はありません。
「よくない言い方をしてしまった」
と、
「私はダメな人間だ」
の間には、大きな違いがあります。
まずは「何が嫌だったのか」を整理してみる
自己嫌悪の中にいると、
「自分が悪かった」
だけで終わらせてしまいがちです。
でも、
怒った理由まで全部なかったことにしなくて大丈夫です。
少し落ち着いてから、
「私は何に怒っていたんだろう」
と考えてみます。
大切に扱ってもらえなかったこと。
約束を何度も破られたこと。
自分ばかり我慢していたこと。
話を聞いてもらえなかったこと。
疲れているのに無理をしていたこと。
怒り方には問題があったとしても、
怒る理由まで間違っていたとは限りません。
ここを分けて考えると、
必要以上に自分を責めずにすみます。
謝るなら、「怒ったこと」ではなく「傷つけた部分」を謝ってもいい
相手に強く言ってしまったとき、
「怒ってごめんなさい」
と謝ることがあります。
でも、
怒りを感じたことそのものまで謝らなくてもいい場合があります。
例えば、
「さっきは大きな声で言ってしまってごめんね」
「傷つく言い方をしてしまったことは謝りたい」
と伝える。
そのうえで、
「でも、あのことについて私は本当に嫌だった」
と、自分の気持ちも伝えることができます。
謝ることは、
自分の気持ちを全部取り消すことではありません。
相手を傷つけた部分には責任を持ちながら、
自分の気持ちも大切にする。
その両方があっていいのです。
すぐに話し合わなくても大丈夫です
怒りの直後は、
自分も相手もまだ興奮していることがあります。
そんなときに、
「今すぐ解決しなければ」
と話を続けると、また言い合いになることがあります。
少し時間を置いても構いません。
「今はうまく話せそうにないから、少し落ち着いてから話したい」
そう伝えることもできます。
逃げているのではありません。
これ以上傷つけ合わないための時間です。
落ち着いてから話したほうが、
本当に伝えたかったことが見えてくることもあります。
次に怒りが大きくなる前の「サイン」を見つけてみる
怒りが爆発するとき、
その少し前に体や心からサインが出ていることがあります。
声が大きくなる。
呼吸が速くなる。
胸がざわざわする。
相手の言葉を最後まで聞けなくなる。
「もういい」と思い始める。
頭の中で同じ言葉を繰り返す。
そうした自分なりのサインが分かってくると、
爆発する少し前に離れることができます。
「ちょっと水を飲んでくる」
「5分だけ考えたい」
「今日は疲れているから、明日話したい」
そんな小さな間を作る。
怒らない人になる必要はありません。
怒りが大きくなる前に気づけるようになる。
それだけでも、ずいぶん違います。
自分を責め続けても、次はうまくいくとは限りません
失敗したあと、
「もう二度とこんなことをしないように」
と、自分を厳しく責めることがあります。
でも、
何度も自分に
「最低だ」
「またやった」
「どうして私はこうなんだろう」
と言い続けても、
次に落ち着いて話せるようになるとは限りません。
むしろ、
自分への怒りが増えて、心に余裕がなくなることもあります。
反省するなら、
「次はどうしたら少し違う行動ができるかな」
と考えるほうが役に立ちます。
例えば、
疲れているときには大切な話をしない。
言いたいことを先に紙に書く。
感情が強くなったら、その場を少し離れる。
我慢しすぎる前に小さく伝える。
完璧な方法でなくてもいいのです。
次に一つだけ変えられれば、それで十分です。
また失敗する日があってもいい
「今度こそ冷静に話そう」
と思っていても、
また言いすぎてしまうことがあるかもしれません。
人は、一度気づいただけですぐに変わるとは限りません。
長い間身についた反応は、
少しずつ変わっていきます。
前より少し早く気づけた。
前より言葉を一つ減らせた。
前より早く謝れた。
前より自分の気持ちを言葉にできた。
そんな小さな変化も、ちゃんと前進です。
失敗しなかった日だけを数えなくても大丈夫です。
失敗したあとに、どう戻ってきたか。
それも大切な変化です。
今日の心のサプリ
怒りをぶつけてしまった自分を思い出して、
「私はダメだ」
と責めたくなったら、
少しだけ言葉を変えてみてください。
「あの言い方はよくなかった。でも、私はやり直せる。」
そして、
「怒っていた自分にも、何か理由があったんだ。」
反省してもいい。
謝ってもいい。
次に違う方法を考えてもいい。
でも、
自分を嫌いになるところまで罰しなくて大丈夫です。
一度うまくできなかったことは、
これからもずっとうまくできないという意味ではありません。
今日気づけたことを、
次の一回に少しだけ生かしてみる。
それくらいからでいいのです。

コメント