何度思い出しても腹が立つとき
もう終わったことなのに、
ふと思い出すと、また腹が立つ。
そのときの相手の言葉。
態度。
表情。
時間がたっているのに、思い出した瞬間、まるで昨日のことのように気持ちが戻ってくる。
「もう忘れたいのに」
「こんなこと、いつまで考えているんだろう」
そう思って、さらに疲れてしまうことがあります。
でも、何度も思い出してしまうからといって、あなたが執念深いわけではありません。
心の中で、まだ整理しきれていないものがあるだけなのかもしれません。
頭では終わっていても、心はまだ終わっていないことがあります
人は、
「もう過ぎたことだから」
と頭では分かっていても、心まで同じ速さで追いつくとは限りません。
特に、
強く傷ついたこと。
納得できなかったこと。
理不尽だったこと。
何も言い返せなかったこと。
そうした出来事は、心の中に残りやすいものです。
だから、何かの拍子に記憶がよみがえると、当時の怒りまで一緒に戻ってくることがあります。
そんなとき、
「まだ気にしている自分はおかしい」
と思わなくて大丈夫です。
心には、心のペースがあります。
「思い出さないようにしよう」と頑張りすぎなくていい
嫌なことを思い出すと、
「考えないようにしよう」
「忘れよう」
と思うことがあります。
でも、
「絶対に考えない」
と思えば思うほど、逆にそのことが頭から離れなくなることがあります。
そんなときは、無理に追い出そうとしなくてもかまいません。
「あ、また思い出した」
と気づくだけで大丈夫です。
そして、
「今、私は怒っているんだな」
と、自分の気持ちをそのまま認めてみます。
それは怒りに負けることではありません。
自分の心の状態を、少し離れたところから見るということです。
怒っている「自分」と、
怒りという「感情」を、
ほんの少しだけ分けて見る。
それだけでも、気持ちに飲み込まれにくくなることがあります。
頭の中で「言い返している自分」に気づいたら
嫌なことがあったあと、
頭の中で何度も相手と言い争ってしまうことがあります。
「あのとき、こう言えばよかった」
「次に会ったら絶対に言ってやる」
「どうしてあの人は分からないんだろう」
実際には相手が目の前にいないのに、
心の中では、ずっとその人と一緒にいるような状態です。
これが続くと、とても疲れます。
相手は今、何事もなかったように過ごしているかもしれません。
でも自分だけが、その出来事の続きを頭の中で繰り返している。
それは悔しいことでもあります。
だから、ときどきこんなふうに考えてみてもいいかもしれません。
「この人のために、これ以上今日の時間を使わなくてもいい。」
怒りをなくす必要はありません。
ただ、今日という時間まで相手に渡さない。
その意識が大切です。
怒りが強くなったら、まず体を落ち着かせる
怒りは心だけでなく、体にも表れます。
肩に力が入る。
胸が苦しくなる。
呼吸が浅くなる。
顔が熱くなる。
心臓が速くなる。
そんなときに、無理に正しい答えを考えようとしても難しいものです。
まずは、体を少し落ち着かせてみます。
ゆっくり息を吐く。
肩の力を抜く。
冷たい水を飲む。
少し場所を移動する。
窓を開ける。
外を歩く。
大きなことをする必要はありません。
怒りが強いときには、
「考える」より先に「落ち着く」
ことが役に立つことがあります。
怒っているときに、大きな決断をしなくてもいい
強い怒りの中にいると、
「もう絶対に縁を切る」
「全部言ってしまおう」
「仕返ししてやりたい」
そんな気持ちになることもあります。
もちろん、距離を置くことが必要な関係もあります。
でも、怒りが一番強い瞬間に、すべてを決めなくても大丈夫です。
メールを送る前に少し置いておく。
返信を明日にする。
今日は結論を出さない。
それも、自分を守る方法です。
時間を置いたからといって、我慢したことにはなりません。
落ち着いた自分に、判断を任せるだけです。
怒りの中にある「悔しさ」に気づいてみる
何度も腹が立つとき、
怒りの奥に「悔しさ」があることがあります。
どうして私が我慢しなければならなかったんだろう。
どうしてあの人は何も失っていないんだろう。
どうして私はこんなに傷ついたのに、相手は平気なんだろう。
そう思うのは自然なことです。
人は、不公平なことにとても敏感です。
だから理不尽なことをされると、
「納得できない」
という気持ちが長く残ることがあります。
無理に納得する必要はありません。
「あれは嫌だった」
「あんな扱いをされるべきではなかった」
そう認めるだけでもいいのです。
自分の傷をなかったことにしなくて大丈夫です。
思い出す回数が減ることも、回復の一つです
ある日突然、
「もう全然腹が立たない」
となるとは限りません。
回復はもっと静かに進むことがあります。
前は一日に何十回も思い出していたのに、
いつの間にか数回になっている。
思い出しても、前ほど長く引きずらなくなっている。
腹が立っても、
少しすると別のことに気持ちを戻せるようになっている。
それで十分です。
怒りがゼロになることだけが回復ではありません。
怒りに奪われる時間が少しずつ減っていく。
それも、とても大きな変化です。
今日の心のサプリ
また思い出して、腹が立ってしまったら、
「まだ怒ってる」
と自分を責めなくて大丈夫です。
代わりに、
「また思い出したんだね。」
と、自分に言ってみてください。
そして、もう一言。
「でも、今日の時間は私のもの。」
嫌だったことは消せません。
相手を変えることもできないかもしれません。
でも、
これからの時間を何に使うかは、少しずつ自分で選ぶことができます。
怒りが戻ってきても大丈夫。
そのたびに少しずつ、
自分の今の生活へ戻ってくればいいのです。

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